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手土産とは

手土産

手土産は人と人をつなぐコミュニケーションツールです。渡す状況はさまざまでも共通するのはただひとつ、喜んでいただけるよう相手を想って渡すということです。

みなさんは手土産を渡すシーンというと、どういった場合を連想するでしょうか。

親しい友人の家を訪問する際に持っていく気軽な手土産や、人生の大きなイベントである相手の親御さんへの婚約あいさつや結婚報告、あるいは仕事の取引先との商談や会合、または謝罪など、手土産にはそれぞれさまざまなケースがあります。

しかしせっかくのコミュニケーションツールも、渡し方やマナーを知らないことで、逆に相手と自分との関係に緊張感や不信感を持たせてしまうといったこともあります。

ご祝儀やお祝い、内祝いと違い、さまざまな場所と状況で渡す手土産は、目的や相手によって、準備の方法やマナーも大きく違ってきます。

渡し方やシーンに応じた喜ばれる手土産、その他ポイントになる所作など、調べにくい内容を一気にまとめましたので、ここでしっかりと手土産についてマスターし、相手に気持ちが伝わる手土産を贈りましょう。

手土産とおもたせ

手土産とおもたせ

手土産という言葉はよく聞きますが、まれにおもたせという言葉を耳にすることがあります。この手土産とおもたせ、実は同じものを指していますが、意味合いがまるで違います。

手土産は相手とのコミュニケーションツールであり、訪問させてもらうことに対する感謝を形に表した進物であるといえます。

この手土産を渡した相手方から見た場合、手土産と呼ばずおもたせと呼ばれます。どちらも同じ進物ですが、意味合いが違っているので言葉選びには注意しましょう。

渡した手土産がすぐに食べられるものであった場合など、相手方はこちらへの感謝を込めて、「おもたせで失礼ですが」という言葉を添えて、その場で手土産を出したりする際に使います。

手土産を持っていくシーン

結婚祝いや出産祝いなどは、それぞれに決まっているしきたりがありますが、手土産を持っていくシーンはさまざまで、以下のような違いがあります。

あいさつ

あいさつに手土産を持っていくというと、まず思い浮かべるのは結婚のお願いや報告で訪問する親へのあいさつです。

メールやビデオ通話など、通信手段が多様化した現代でも、この時ばかりはほとんどの人が直接あいさつに向かい、良い印象を持ってもらうために手土産にも悩むものです。

まずはなによりの相手の好みを事前にリサーチして、手堅く喜ばれるものを選ぶことが定番です。

また、とても緊張する上、自分の人となりを知ってもらう必要があるため、自分が住む場所や、出身地の名物などを選び、会話のきっかけにするという方法なども有効です。

感謝

お世話になった友人などへお礼や感謝の気持ちに手土産を持っていくと、こちらの気持ちを形で伝えることができます。

お中元やお歳暮と違い、御礼やこころばかりといった表書きを添えて渡します。

お見舞い

お見舞いの際は自宅へのお見舞いと病院のお見舞いでは衛生上の持ち込み禁止品などの設定など違いがありますが、いずれにしても相手の負担にならないものを選びます。

お見舞いは急に訪問せず事前に連絡をしてから伺うものなので、その際に欲しいものを聞いて持っていくというのもひとつの方法です。

謝罪

相手に対して謝りたいときにも手土産は有効です。また、仕事をしていると人間誰でも間違いがあるもので、それが取引相手に対する失敗である場合、謝罪に伺うこともあります。

こちらの誠意を見せる態度として、すぐにお詫びに伺うことや、直接お詫びを伝えるといった行為のほかに、訪問時に手土産を持参するのがマナーとなっています。

この場合、手土産に紅白ののしをつけるものか迷うところです。マナーの上ではのしをつけるのが基本であり、謝罪であってもこれは同じですが、あえてつけないのも間違いではありません。

その他

手土産を渡すシーンはその他にもあります。ビジネスシーンでは謝罪以外にも、会食や接待の際や打ち合わせで手土産を渡すこともあります。

結婚報告ではなくても相手方の実家訪問の際なども欠かせないものです。目上の人の家を訪問する場合にも手土産を持参することは多いようです。

また最近ではポットラックパーティーと呼ばれる、各人が食べ物持ち寄りのパーティーといった気兼ねしない友人同士での集まりで、主催者の準備などの負担を減らすために、それぞれが手土産を持参して集まるというパーティーも増えています。

手土産のマナー

手土産のマナー

シーン別に分けることができる手土産も共通するマナーがあります。マナーの基本をおさえておきましょう。

相場

手土産の相場はシーンごとに違います。おおよその相場は以下の通りです。

  • あいさつ:3,000円から結婚挨拶で1万円くらいまで
  • 感謝、お礼:3,000円~5,000円くらいまで
  • お見舞い:3,000円~5,000円くらいまで
  • 謝罪:一般的には5,000円~1万円を基本に、それほど大きな謝罪ではない場合は3,000円ほどのものでもOK
  • その他:ホームパーティーのようなものであれば2000円~4000円。接待などのビジネスシーンでは3,000円~1万円ほどが相場。目上の人の家を訪問する際は5,000円~8,000円ほどを目安に

のし

熨斗(のし)

どのような手土産にものしをつけるのがマナーです。のしはのし飾りという飾りがついたもの、またはのし飾りが印刷されたかけ紙で、水引きと呼ばれる装飾がついています。

この水引きも印刷されたかけ紙が一般的にはよく利用されています。最近ではコンビニ以外にも一部の100円ショップでも手に入ります。

水引きは、結婚式など人生で1度だけで良いという意味で使う結び切りではなく、何度でもご縁があるようにという意味で使う蝶結びタイプを選びます。ただしお見舞いの場合は結び切りを使うとよいでしょう。謝罪の際はこれらがおめでたいイメージを持つため、無地のかけ紙や短冊だけをかけたりします。

表書きはシーン別に以下のように変えるとよいでしょう。

  • あいさつ、感謝、お礼、お見舞い:その名の通り御挨拶、御礼、御見舞とすることが多いようです。
  • 謝罪:謝罪の際は相手方への気持ちとして、深謝やお詫びの表書きをします。またはのしをつけずに包装だけで持っていくという方法も一つの誠意の形として間違いではありません。
  • その他:訪問時やその他挨拶全般など、最もよく使われる表書きは粗品です。

どの場合も裏書はしないのが基本です。

持ち運び

手土産は箱のまま持ち運ばず、紙袋に入れるか風呂敷で包んでおくようにしましょう。ビジネスシーンでは風呂敷よりも紙袋に入れておく方が無難でしょう。

風呂敷の場合は手土産を風呂敷の中央に置いて四方から包むだけの平包みや、同じく手土産を中央に置き、上下を包んだのち、左右を持ち上げ結ぶお使い包みなどがあります。

この場合の結び方は真結びといい、結んだ房が横になるように結ぶ方法です。

渡し方

よく使われる言葉がつまらないものですがという一言です。しかし近年ではこの言葉を謙遜と取らずに、つまらないものを渡す程度の間柄かと思われてしまうことがあります。

このため「心ばかりのものです」という言葉や、食品なら「お口に合うと良いのですが」という言葉とともに渡すとよいでしょう。

どの場合も基本は挨拶が一通り済んでからや、話がひと段落着いた後、または最後に渡すものですが、生鮮品やアイスクリームは先に渡すようにしましょう。

複数人で受け渡す場合は、お互い一番目上の人同士で受け渡すのがマナーです。男女の場合は作法として男性が受け渡すとされています。

自宅訪問

訪問時は挨拶や相手とのお話などを優先し、手土産を渡すまでは自分の横やひざの上に置いておきます。渡す際は紙袋や風呂敷から出して渡すのがマナーです。

自分の正面で紙袋や風呂敷から手土産を出したら、速やかにたたんで自分の脇に置き、手土産を相手方に向け言葉を添えて差し出します。

職場

職場での手土産は紙袋で渡すのが一般的で、風呂敷を使うことはまずありません。紙袋から出してスマートに渡します。渡すタイミングは挨拶してからというのが一般的です。

外出先や相手が訪問してきた際は、手土産が荷物になるので、「紙袋で失礼します」と一言添えて紙袋ごと渡すと、持ち帰りやすく親切です。

謝罪の場合は、まず何よりも言葉と態度での謝罪で気持ちを見せることが大事ですが、あとはあくまでも相手のタイミングに合わせましょう。

その他

親しい友人やパーティーなどですぐにその場で開けるものは、状況に応じて簡易包装でも構いません。こういった場合は主催者の準備などの迷惑にならないよう、早く着きすぎないようにします。

早めに冷蔵庫に入れるものはもちろん、部屋の中をよごす可能性があるものなどは、玄関で渡しましょう。

受け取る場合

手土産は受け取り方にも作法があります。手土産は両手で受け取りまずお礼を伝え、上座に置きましょう。

置いたままだと失礼にあたることもあります。場合によっては空けて中身を拝見させていただき、ここで感想やお礼を伝えると相手にも喜んでもらえます。あとはタイミングを見て別の部屋などに移しましょう。

「ありがたく頂戴いたします」や「お心遣い感謝申し上げます」といった言葉がよく使われます。

一緒に食べられるものを選んで持ってきていただいている場合は、「おもたせで失礼ですが」とひとこと伝え、その場で出すのが礼儀です。自分で用意したものと重複した場合は、おもたせの方を先に出しましょう。

手土産のタブー

手土産のタブー

せっかく渡す手土産も、選び方や渡し方を知らず間違えると、良いイメージを持ってもらえなくなる可能性があります。手土産についてのタブーを知っておきましょう。

注意点

手土産の選び方として、訪問先付近での買い物は控えたほうがよいでしょう。あまり相手のことを考えず、急場しのぎに買ってきたようなイメージを持たれてしまうおそれがあります。

あくまでも相手が喜ぶものを選ぶべきで、自分が好きというだけで甘いものやお酒などを選ぶと、相手の嗜好に合わないこともあります。

金額に関しては、高価すぎるものを選ぶと相手の負担となったりします。相場の範囲内で選びましょう。

また、受け取る際の注意点として「どうもありがとうございます」という言葉遣いは、「どうも」が失礼にあたるとされます。

「わざわざすみません」という謝罪にとれるような言葉遣いもふさわしくありません。素直に感謝を伝えましょう。

避けたほうがいいもの

相手との関係性次第では問題ありませんが、仏事などで選ばれる日本茶は縁起が悪いとされるので避けたほうが無難です。

縁起の悪さを連想されるものはよくないので、数字の4や9の数になるものも避けましょう。

お見舞いの際は病院に寝付いてしまうというイメージから、鉢植えは避けられています。また、菊は葬儀で使われ、赤い花は血を連想するとされます。あじさいも色があせることから避けられています。

長期入院を連想させるため、パジャマやタオルも手土産に選ぶのは控えましょう。

お返しは?

一般的に手土産に対するお返しは、食事などの形でもてなすか、次にこちらが訪問する際に手土産を持参する形で返せば十分です。

ビジネスシーンの場合は、感謝の言葉と別便でお礼の品を送る旨を綴ったお礼状を送り、2000円ほどの菓子折りなどを送るという作法がとられることもあります。

手土産のおすすめ

手土産のおすすめ

手土産に何を贈ると喜ばれるか、おすすめの手土産を調べてまとめました。贈る相手によって手土産のおすすめは違ってきます。贈り物に迷った際はどうぞ参考になさってください。

近しい人

近しい間柄の場合は相手が喜ぶものを選びやすいものです。相手の好みの食べ物なら間違いありません。趣向を凝らすなら食べ物にせずに、タオルやブランケット、アイマスクなど、サイズ感の心配がないものを選ぶのもひとつです。

相手が女性の場合は美容グッズという選択肢もあります。美容品自体だと、自分が使い慣れているもの以外をもらっても困ることもあることは注意しておきましょう。

人数がいる場所への訪問の場合、分けやすいお菓子などが喜ばれます。ママ友の家への訪問ですと、母親だけではなくお子さんもいらっしゃいますので、子供が喜ぶものを選ぶというのもよいかもしれません。

職場関係

仕事関係の場合は訪問先にたくさん人がいることが多いものです。相手が気をつかわずに分けられるように、個包装のもので日持ちするものを選ぶとよいでしょう。

SNSなどで話題となっているスイーツなどを選んで商談前の話題作りにつなげるというのもよいかもしれません。ただし、あくまでも先方のペースに合わせるべきなので、相手が受け取りやすい状況になったときに渡しましょう。