昇進祝いとは

昇進祝いとはビジネス社会でよく使われている言葉となり、会社内で役職があがるときに身内、職場の同僚、部下が、仕事関連のお得意さまや、日頃からお世話になっている方に対して行うのが昇進祝いとなります。
昇進祝いでは会社の先輩や上司といった、お世話になった方のこれからの活躍を応援しますという意味を込めてお祝いを贈ります。
今後のお付き合いにも深く関わるお祝いごとになりますのでルールを守り、決してタブーのないようにしましょう。
昇進と昇格のちがい
ビジネス社会では昇進という言葉以外にも昇格や栄転という言葉が使われています。
すべて同じようにも思いますが全く違う意味をもっているので、社会のマナーの1つとして紹介します。
昇進
昇進は1番耳にしたことが多いのではないでしょうか?昇進は現在働いている部署で役職があがっていく場合に使用される言葉です。
- 主任⇒係長⇒課長
- サブリーダー⇒リーダー⇒マネージャー
といった場合が該当します。
昇進したときには昇進祝いを贈るのが一般的なマナーになります。
昇格
昇格は現在持っている資格の段階があがったり、仕事に対して社内での評判があがることを意味します。
その為とくに地位などはかわらないので身内でお祝いすることが多くなります。
栄転
栄転とは今よりよい地位にあがることを意味します。
それなら昇進と同じでは?と思われますが大きな違いが1つあります。
- 昇進は同じ部署で地位があがること。
- 栄転は他部署に移動となり同時に地位があがること。
地位があがる際に部署が同じか同じではないかの違いになります。
お祝いの仕方
お祝いの仕方ですが一般的に様々な方からお祝いされるのは昇進と栄転の場合のみとなります。
ですが1点注意しないといけないのは、昇進できなかった方もいるので周りへの配慮を忘れないようにしてください。
お祝いをしたり品物を渡すタイミングは2つとも正式発表後1~2週間以内になります。
可能であれば1週間以内に贈るようにします。
男性の場合
これからの活躍を期待するようにビジネスに関連のある実用性がある品物がよいでしょう。
手帳、財布、ネクタイ、名刺入れは定番の贈り物とされています。
女性の場合
女性の昇進祝いに品物を贈るのであれば今なにが欲しいか直接聞いて、相手の欲しがる物を贈ってあげましょう。
デスク周りの物や実用的な物でもよいですし、女性が昇進するということは相当な努力を重ねているので癒しの時間としてコスメグッズをあげる方も増えています。
職場の上司や部下
職場の上司や部下の場合、大体の職場ではお祝いの席を設けます。
そのため部署全員でお祝いするのが基本的なマナーとなり共同で贈り物を贈ります。
もし日頃の感謝を込めて別で贈り物をしたい場合は、日を改めてプライベートで席を設けるようにしてください。
取引先
取引先に昇進祝いを贈るときに贈り物のマナーが守られていないと、常識がないと思われてしまい今後の仕事にも影響してしまいます。
慎重になりながら心のそこからお祝いをしてあげましょう。不安な方は胡蝶蘭を贈ることで先方には失礼にはあたりません。
他にも自分ではなかなか購入しないようなスイーツや飲み物系も喜ばれます。
昇進祝いのマナー

昇進祝いを贈る際のマナーを間違えてしまうとビジネスにも影響を与えます。
失礼のないようにマナーについては頭にいれておきましょう。
現金をお祝いとして贈る場合と品物を贈る場合のマナーについて紹介します。
現金の場合
現金を包む場合は偶数ですと割ることができ不吉を意味するので、お祝いごとの時は割り切ることができない奇数にします。
現金を包む場合の相場ご祝儀袋の種類、表書きの書き方について紹介します。
金額の相場
現金を包む場合の一般的な相場は5,000円〜3万円とされています。
ですが関係性によってかわってきますので紹介します。
身内 | 1万~3万円 |
---|---|
親戚・知人・取引先 | 5,000円~1万円 |
となります。
職場の人同士で包む場合は1人あたり500円~1,000円集め渡しています。
お祝いごとですので包むときには新札を使用するようにしてください。
ご祝儀袋
現金を包む際に使用するご祝儀袋について紹介します。
お祝いごとの際は必ず熨斗(のし)をつけ水引は本数が5本の紅白を使用し、何度もお祝いしても嬉しいという意味をもつ蝶結び(花結び)を選んでください。
包む金額が1万円未満であれば印字されたご祝儀袋を使用しても問題ありませんが、会社関連の方に渡すのであればマナー的に印字を避けたほうがいいでしょう。
表書き
お祝いごとで表書きを書く場合は喜びを表現するのに濃い色の毛筆、筆ペン、太めのフェルトペンを使用します。
上の段には状況にあった言葉を書くようにしてください。
昇進の場合 | 御昇進御祝・祝御昇進 |
---|---|
昇格の場合 | 御昇格御祝・祝御昇格 |
栄転の場合 | 御栄転御祝・祝御栄転 |
どれに該当するかわからない場合は失礼のないように御餞別にしておきましょう。
下の段には贈った方の名前を書きますが上の段よりは小さめの文字で書くようにしてください。
真ん中に書く際に文字の間隔も均一になるように心掛けましょう。
渡し方
現金を贈る際は昇進祝いの会をひらき、お祝いの言葉とともに渡すのが一般的なマナーになります。
正式発表後1~2週間以内に渡すのが理想的といえます。
品物の場合
品物を贈る場合、昇進祝いですので上品な品物でしたりビジネスに役立つ品物を贈るようにしましょう。
また品物に花束を添えて渡すのが最近定番化してきました。
ですがあまりにも高額な品物を贈ってしまうと、相手側も困ってしまいますので下記の金額内に収まるものを探してみましょう。
そのほかにも品物に添えるメッセージの文例やマナーについて紹介します。
金額の相場
現金を贈る際の相場と同様で品物を贈る際の一般的な相場は5,000円〜3万円とされています。
ですが関係性によりかわってきますので紹介します。
身内・親戚 | 1万円~3万円 日頃の感謝を込めた贈り物を贈る方が増えています |
---|---|
知人 | 5,000円〜3万円 金額も幅広く関係性にもよりますが直接欲しい物を聞いて贈る方が多いです |
職場の同僚・上司 | 1万円~3万円程度 複数人で贈り物をする場合は1人あたり500円~1,000円集めビジネス用品を選ぶ方が多いです |
取引先 | 5,000円~3万円 豪華な胡蝶蘭がよく選ばれます |
書き方
品物にはのし紙をつけるのがマナーです。
水引は現金と同様で本数が5本の紅白を使用し蝶結び、表書きに関しても現金と同じ書き方になります。
また昇進祝いで品物だけを贈るのはタブーとなるので必ずお祝いの文面も添えましょう。
ではいったいどのような文面を添えればいいのか文例を紹介します。
文例:
○○係長
この度は課長にご昇進おめでとうございます。
(お世話になったことや感謝の言葉を書きましょう。)
(昇進される方のよい所をピックアップし日々尊敬していることを伝えます。)
今後ともご自愛のうえ一層のご活躍をお祈りいたします。
※辞める、枯れる、終わる、別れる、消える、失う、はタブーの言葉となるので使用しないように注意してください。
メールにて文章を送る
ビジネス社会では社内メールというものがあります。
昇進されたことをすぐにお祝いしてあげたい!という方は基本的には上記の文例と同じになりますが、件名には【ご昇進おめでとうございます】と記載します。
そして最後に取り急ぎメールにてお祝い申しあげます。と文章を締めます。
後日、日を改めてお祝いするようにしましょう。
食事などの場合
食事の場を設けて昇進祝いを行う場合のマナーについて紹介します。
最初に気をつけなくてはいけないのは座る席についてです。
座る席
洋室の場合は入り口から1番遠い席に主役に座ってもらいましょう。
手前に向けて上の方が順番に座っていきます。
和室の場合は床の間を背にする席に主役に座ってもらいましょう。
どちらの場合も会社の中で1番下の役職の方は、動きやすい入り口付近で注文をしたりします。
お祝いの流れ
食事の場でどのような流れでお祝いすればいいのか簡単な流れを紹介します。
- 本日は○○さんの昇進祝いを行いたいと思います。
と軽く挨拶をします。 - 乾杯をし食事を楽しみましょう。
- 昇進される方へお祝いの言葉を順番に贈ります。
- 贈り物渡します。
- 昇進された方からお言葉を頂戴します。
- 締めの挨拶をします。
昇進祝いのタブー

昇進祝いは基本的に上司に贈ることが多いのではないでしょうか?
もしそうであれば絶対にタブーなことは避けて素敵な思い出になるようにしたいところです。
注意点や贈り物として選んではいけない物について紹介します。
注意点
昇進の発表がある場合その発表の前に○○さんが昇進するらしい、と噂などがまわることがあります。
噂の時点でお祝いの言葉を贈ってしまうと、昇進が取り消しになった時に収拾がつかなくなります。
この状況を避ける為にも正式な発表があるまではお祝いはしないようにしましょう。
選んではいけないもの
特に上司に昇進祝いの贈りものをするときにタブーとされている品物があるので紹介します。
本人が欲しい物であれば喜ぶものなので例外となります。
靴下・靴・下着
靴下、靴、下着には相手を踏みつける、下に敷くという意味があり、履物類は贈り物としてタブーとされています。
特に上司に贈るのは避けましょう。親しい間柄であれば問題ありません。
万年筆・時計・カバン
万年筆、時計、カバンには仕事や勉強に対して一所懸命に励み、もっと精進してくださいという意味があります。
この意味合いにより上司には大変失礼な品物にあたりますので贈るのは避けましょう。
割れ物・壊れ物
花瓶や食器などの割れ物、壊れ物は割れるという意味があります。
一般的なお祝いの品としては不適切だとされていますので避けるようにしてください。
現金・商品券
一番無難だと思い贈りたくなるのが現金や商品券になります。
ですが上司の方に金額がわかる現金や商品券を送るのは大変失礼にあたります。親しい間柄であれば問題ありません。
ハンカチ
ハンカチは昔、手巾(てぎれ)と呼ばれていました。
漢字で表すと手切れに似ていることから、絶交という風に相手側に受け取られることがあります。
基本的には白いハンカチがタブーとなり、色が入っていたり模様があるものは平気とされています。
お返しは?
昇進祝いを贈られた場合お返しの必要はありません。
ですがビジネス社会では昇進祝いを贈られた方の約50%がお返しをしているというアンケート結果が出ています。
お返しを考えている方はお礼状を送る、お返しの品物を贈るといった方法になります。
お返しの時期は贈り物を頂いてから1週間~1ヶ月以内にお返しをしましょう。
お礼状
お礼状のみ贈る場合は品物を受け取ってから遅くても3日以内に贈るのがマナーとなります。
お礼状には、お祝いしてもらったことへの感謝を綴り近状の報告について書きます。
贈り物に対して気に入った品物だった場合は【毎日使っています】【季節の味を楽しませてもらいました】など一言足すだけで贈った方も喜んでくれます。
基本的には下記を参考にしてください。
- お礼状を出す時の季節や気候に応じた内容を書きます。
- お祝いをして貰ったことへのお礼を書きます。ほかにも今後の抱負についても書いてみましょう。
- 最後に結びの挨拶で文面を締めくくります。
- お礼状を書いた日付、差出人、宛名を書きます。
ポイントをしっかりおさえながら書くようにしましょう。
お返しの品
お返しの品を贈る場合にはお礼状も一緒に送ることを忘れないようにし、のし紙をつけます。
水引には紅白の蝶結びを使用し表書きには、御礼と書きます。
品物を贈る場合は昇進祝いで贈られた品物の半額程度が相場とされています。
よく選ばれているのは日常で使うことができるタオルセット、カタログギフト、食品の詰め合わせなどが一般的です。
お返しの品を贈るのは自身が落ち着いてからで問題ありません。
昇進祝いのおすすめ
昇進祝いの選び方のコツは日頃の上司との会話に隠されているのかもしれません。
日頃からスキンシップがとれているようでしたら、上司の欲しがっている品物を贈ってあげましょう。
何をあげてよいのかわからない場合は下記を参考にして選びましょう。
お酒
お酒を送る場合は普段飲めないようなワンランク上のお酒を贈ることで喜ばれます。
ほかにも、お酒が好きな方であれば、名入りのお酒は飲み終わったあとにもインテリアとして飾れますし、なにより自分のためだけに作ってくれたということに喜んでくれます。
お酒だけだと寂しいと感じた場合は、家庭のある方であれば高級なお肉なども一緒に贈るとよいでしょう。
胡蝶蘭
胡蝶蘭は日持ちもよく見栄えもよいので様々なお祝いで贈られます。
胡蝶蘭は幸福が飛んでくるという縁起のよい花言葉の意味をもっているので、取引先の昇進祝いにもピッタリです。
人気があるのは大輪の3本立ちで、カラーは白、白赤、ピンクになります。
ビジネス用品
ビジネス用品を贈る場合はどの位の役職の方に贈るのかで多少かわってきますが、若い方であれば名刺入れといった普段の仕事で役立てる物や、スーツが映える小物など贈ってみましょう。
ほかにもネクタイやデスク周りで必要となる物を贈られる方が多く、実用的な品物が選ばれています。
カタログギフト
どうしても贈るものが思い浮かばない場合はカタログギフトを贈りましょう。
ですが上司に現金を贈るよりはましですが、極力避けたいところです。
品物のギフトより、体験型ギフトのようにリフレッシュできるものならよいかもしれませんね。