成人祝いって何をプレゼントしたらいいの?相場っていくら?

みなさんはこれまでに身内や知人のお子さんが成人する際に、成人祝いを贈って祝ったことはありますか?
成人祝いとは20歳となる新成人が大人の仲間入りをする節目のお祝いです。
1月には国民の祝日の一つでもある成人の日もあり、大人になった青年を祝い励ますことは祝日法にも制定されています。
贈ったことがある、何度も贈っているという方でも、こちらをご覧になっているということは、記念に残る少しでもいいプレゼントしてあげたいというヒントを探そうとしているのではないでしょうか。
ここでは実際に喜ばれている成人祝いのプレゼントや相場について具体的に紹介いたします。
成人祝いで喜ばれるプレゼント
さっそくここからは成人祝いで喜ばれるプレゼントをご紹介してまいります。
プレゼントといえば何といっても現金と思っていませんか?
たしかに、実際にもっとも選ばれているお祝いも現金なのは確かですが、意外にそれだけではないんです。
もちろん、現金ですと自分で欲しいものを買えますし、成人祝いに限らず多くのお祝いでも現金が選ばれるほうが多いのも事実です。
しかし成人のお祝いは大人になった証をもちたい気持ちが働くためか、実は形に残るアイテムを贈るほうが喜ばれるというケースも多いのです。
また、お祝いを贈るのはご両親からやご祖父母からというのが多いものですが、年の近い先輩から後輩への成人祝いというのも贈ることが多く、このような近しい間柄の時はメッセージ性のない現金よりもプレゼントが選ばれるものです。
では喜ばれる品物とはいったい何なのか、そして知りたくても聞けない相場については品物と現金のどちらの場合についても解説していきます。
喜ばれる品物
- 男女とも時計と財布が人気
- 長く使える上質のプレゼントが喜ばれる
- 自分が成人した時貰ってうれしかったものを贈るというのもよい選択
成人祝いで喜ばれるプレゼントは何か、数々の調査結果が出ていますが、現金を含めもらってうれしいものを調査すると、男女とも6割強が1位を現金と答えています。
しかし一方である調査では、形に残るものと現金を含めた形に残らないもののどちらを貰うとうれしいかというアンケートで、なんと約7割が一生ものの形に残るプレゼントがうれしいと答えたというデータも出ています。
これは子供が成人して大人になるというのは人生の一大イベントであり、大人へと成長した記念になるものを形に残しておきたいと思いがあるからこその結果と言えるのではないでしょうか。
こうした声にこたえるような長く使える質のいい品物を選ぶのも大事なコツでしょう。
そんなプレゼントで男女ともに上位人気はほぼ同じ結果が出ています。
それは財布と腕時計です。社会人としても使え、プライベートでも使えるため、どちらのシーンで使いたい人からも幅広く支持を集めることも人気の理由でしょう。
また、これらのデータとは違っていても、年の近い先輩から後輩への成人祝いのプレゼントといった場合は、自分がもらってうれしかったものを参考にプレゼントするというのもいい方法です。
男性
- いつの時代も成人祝いで人気を二分するのが時計と財布
- 一生大事にするプレゼントとして万年筆も男性には人気
- これらのアイテムにはネーム入れをしてプレゼントすることも多い
男性へのプレゼントのトップは腕時計と財布が人気を分け合っています。
スマートフォンで時間がわかる現代でも、やはり腕時計はいつの時代もこだわりの小物であり、持ちたいアイテムとして圧倒的に支持されています。
新成人ですから高価すぎるものは身の丈に合わずおすすめしません。
手ごろな価格のもので十分です。
例外として、祖父や父から愛用品を譲り渡すという場合は価格を気にせず渡しても構わないでしょう。
財布も学生時代使っていたものから大人になったきっかけに新調するという傾向が強いようです。
社会人としてスーツのポケットからサッと出す財布が子供じみたものでは恥ずかしいという思いがあるようです。
とはいっても自分で買いたいものの中では上位にランキングされる品物ではないことも、プレゼントとして喜ばれる要因となっているようです。
同じように自分では購入することは少ないながら、頂きものとして一生大事にするという、男性へのプレゼントの代表といえるのが万年筆です。
大人の男が持つアイテムとして社会の一員となった自覚を感じる万年筆は、常に一定の人気があります。
有名メーカーのものから蒔(まき)絵の入った和モダンといったように、機能やデザイン両面から多様に選ぶことができるのも魅力です。
女性
- 財布は男性ほど人気が集中してはいないが喜ばれるプレゼントの上位
- 腕時計も女性にも人気で、かわいらしいものや洗練されたデザインのものまで豊富にある
- ビジネス、プライベートそれぞれで使うファッションアイテムも人気
- 消えものでは花が人気
新成人の女性に向けたプレゼントは大人びたものを選ぶのが手堅い選択です。
男性よりもデザインや品質にこだわりを持つ人も多く、安っぽいものや子供じみたデザインのものは長く使ってもらいにくいかもしれません。
ただし高価なものでなくてもかまいません。
ボールペンやハンカチといった身近な小物を選べば、手ごろな金額でも洗練されたデザインや質のいい品物をプレゼントすることができます。
財布やシステム手帳といった小物は、成人を境に社会人としてふさわしいデザインのものに買い替える傾向にあり、デザイン性に特化したものや上質な革を使ったものなどから幅広く選ぶことができます。
プライベートで使うアクセサリーやジュエリーも喜ばれるプレゼントのひとつです。
リングはサイズ感などが難しくプレゼントには気を遣いますが、ネックレスならその点も安心です。
これらの実用品以外で好まれるのは花の贈りものです。
ガラス入りのブリザーブドフラワーなどは5年~10年の長期間でも保存可能といわれ、近年の花ギフトでは定番商品となっています。
現金の場合
現金でのお祝いは人気の高いプレゼントです。
男女ともに現金を貰うのが一番うれしいという声が多く、贈る側も選ぶものに迷わず済みます。
ただし、どんなにご祝儀袋に凝っても現金のお祝いは、誰からもらっても同じで事務的で味気ない贈りものであり、印象に残らないというデメリットがあります。
そのため現金を贈ってお祝いする場合は、成人を祝う気持ちをメッセージにしたためて添えておくとよいでしょう。
人生の先輩として注意しておきたいことも多いかもしれませんが、あくまでもお祝いですので相手の成長を祝う気持ちを前面に出した内容にするほうが賢明です。
プレゼントの相場
次にプレゼントの相場について確認しておきましょう。
成人祝いは入学祝などと違い相手の年齢が決まっているのでお祝いの相場も一定かというと、そう簡単ではありません。
相手が自分の子供か孫か、または友人の子か学校の後輩であったり、職場の関係なら何人かでお祝い金を集めることもあるかもしれません。
そういった相手との関係性も含めた相場について解説していきます。
品物の場合の相場
孫 | 1万円~5万円 |
---|---|
子供 | 1万円~3万円 |
兄弟、甥、姪 | 1万円~3万円 |
親戚 | 1万円~2万円 |
知人、友人、後輩 | 5,000円~1万円 |
会社の部下、後輩 | 1人1,000円 |
品物で贈りものをする場合は相手との関係ごとに、上記のような相場を基準としてプレゼントを選ぶとよいでしょう。
これは現金で渡すよりも若干抑えられた傾向にあります。
選んだ贈りものの価格が相場より低くても、それが相手のためになるものなら全く問題ないでしょう。
一方でかわいい孫の成人式を彩る振袖一式を贈りたい、というケースや、大人になった記念に一生使うのに恥ずかしくないパールのジュエリーを贈るというようなプレゼントをするケースも少なくありません。
こうした場合は贈りものの相場よりはるかに高くなりますので、相場はあくまでもひとつの基準という程度で考えておけばよいでしょう。
現金の場合の相場
孫 | 1万円~10万円 |
---|---|
子供 | 1万円~5万円 |
兄弟、甥、姪 | 1万円~3万円 |
親戚 | 5,000円~2万円 |
知人、友人、後輩 | 5,000円~1万円 |
会社の部下、後輩 | 1人1,000円 |
現金の場合、一つの目安として、血縁関係は1万円、それ以外は5,000円を下限として、あとは相手との関係性で金額を決めましょう。上記の範囲が参考となる相場です。
現金で渡す場合でも、渡した現金で成人後に役立つ実用品をそろえてほしいと考えて包む場合は、必然的にまとまった金額になります。
逆に必要なものを何か形としてプレゼントして、さらに相場より抑えた金額でお祝い金を渡す、という方法もあります。
お祝いの仕方(マナー)

成人祝いは大人への階段を上る大事なお祝いです。
贈る側も贈りもののマナーを見せるいい機会でもあります。
日本の贈りもの文化で知らないではすませられない熨斗(のし)袋、熨斗紙の書き方や、正しい贈り方を態度で示すことで、贈られる側もいずれ一人の大人として正しいマナーで贈りものをする大切さを知ることができるでしょう。
贈る時期
成人祝いを贈る時期は20歳の誕生日に合わせることは少なく、一般的には1月初めから成人の日となる成人式の前日か当日までに贈るのがマナーだとされています。
ただ、成人式を過ぎてしまっても早めにお祝いすれば問題ありません。
また、成人祝いは身内でお祝いするものであるため、取引先であったり関係性の浅い間柄である場合は、お祝いを贈らなくても構いません。
ご祝儀袋

- 現金はのし袋、品物はのし紙を使う
- 濃い墨を使った毛筆か筆ペン、フェルトペンではっきりと記入する
- お祝いの名目は御成人御祝、祝御成人、祝成人、賀成人式(せいじんしきをがす)など
お祝い金を包む場合は、熨斗(のし)という飾りと水引きのついたご祝儀袋を用意します。別名、のし袋ともいいます。成人祝いには紅白で蝶結びの水引きがついたご祝儀袋を選びましょう。
品物の場合も同様にのしと水引きのついた熨斗紙をかけて包みます。
品物の場合

品物の場合はのし紙で包み、水引きの上に名目を、下に氏名をフルネームで記入します。成人祝いは一度だけですが、水引きは蝶結び(花結び)のものを使います。
現金の場合
- 中袋には表に金額を旧字体で記入
- 中袋の裏には左に寄せて住所と氏名を記入
- 中袋のない場合は外袋の裏に金額と住所氏名を記入
- お金は新券で用意し、肖像が表の上部に来るように入れる
中袋の表には金壱萬圓と旧字体を用いて記入します。
ただ近年は普通の漢数字でも良いとされています。10万円を超える場合は也をつけて金拾萬圓也と書きます。
裏は左側に住所と氏名をフルネームで記入します。
外袋には紅白で花結びや蝶結びの水引きがついたものがよく選ばれます。
中袋のないご祝儀袋の場合は、外袋の時と同じように表書きし、裏に金額と住所を書きます。
記入が済んだらお金を入れるのを忘れないようにしましょう。
お札の肖像が表を向き、上部に来るように入れます。
お祝い事には新券を用意し包むのがマナーです。
新券は銀行で両替してもらうことができます。
贈り方
近しい間柄で行われる成人祝いは、袱紗(ふくさ)に包んで渡すような厳密なマナーはありません。お祝いの言葉とともに直接渡すのがよいでしょう。
直接渡せない場合は現金書留で郵送することもあります。
主にタイミングが遅れそうな場合や会いに行けないときには郵送しましょう。
この場合、ご祝儀袋のほかにお祝いのメッセージも一緒に入れておくとよいでしょう。
郵便局に行くと現金書留専用の封筒があるので、購入してその中に入れ窓口で手続きします。
成人祝いの注意点

成人祝いに気をつけたい注意点や、贈ってはいけないもの、あまり喜ばれないプレゼントをまとめてご紹介します。
注意点
成人祝いだけの特別なタブーというものは特にありませんが、お祝い事での贈りものには注意するべき点がいくつかあります。
ご祝儀袋やのし紙の書き方について、薄墨で書くのは不祝儀の時に限られるためタブーとなっています。濃い墨を使い楷書ではっきりと書きましょう。
郵送で贈りものをする際は、現金や商品だけを送りつけるのはお祝いの気持ちが伝わりにくいため避けるべきです。
一言でも自分の言葉でメッセージを添えて送るようにしましょう。
一部の地域では熨斗の表書きが祝御成人といったように四文字になることを死文字として避ける風習があります。こういった場合は御成人御祝というように文字の数を変えるよう配慮しましょう。
あまり喜ばれないもの
- 自分の好みが出すぎて好き嫌いが分かれるもの
- お酒などの嗜好品は確認が必要
- 縁起の悪さを連想する商品
自分の好みが出すぎて好き嫌いが分かれるもの
自分の好みで選んだ品物が、相手にとっても好みのものであるとは限りません。
たとえば娘や孫に振袖をプレゼントする、というのも定番ですが、その柄に関して本人が気に入らず喜ばれなかったという話もよく聞く失敗談です。
お酒などの嗜好品は確認が必要
成人のお祝いにお酒を贈るケースはこれまでもありましたが、そもそも新成人は飲酒の習慣もなく、くわえて年々お酒を飲む若者が減ってきていることなどから、相手が喜ぶかわからない品物は選ぶ際には相手に確認したうえで贈るようにしましょう。
縁起の悪さを連想する商品
おめでたいお祝いなので、縁起の悪さを連想する商品も選ばないように心がけましょう。
日本では4は死、9は苦しみを連想させるといわれます。
例えば櫛やシクラメンの花は苦と死をイメージするので女性へのお祝いに選ばないよう、気をつけたほうがよいでしょう。
同じように縁起の悪さを連想させるものとしては、白い布は亡くなった人の顔にかける布や装束を連想されます。
振袖に巻く白いショールなどは構いませんが、ハンカチなど白い布を贈るのは控えましょう。
お返し
成人すると大人の仲間入りとなりますが、成人祝いは子供への入学祝などと同様、子供の成長を願うお祝いのため、基本的にお返しは必要ありません。
ただしお祝いをいただいたお礼はすべきです。
お礼状や電話でお礼を伝えることは忘れずに心がけましょう。
お世話になった人を招待し成人を祝う食事会を開くこともありますが、この場に呼べなかった人に内祝いを出すこともあります。
この場合は成人の日の後1週間以内を目安に贈るように心がけましょう。
成人祝いの豆知識
最後に日本でも成人年齢が引き下げられることもあるので、この機会に成人祝いについての豆知識をいくつかご紹介します。
成人の日と成人式
日本は1999年までは前年の成人の日から当年の成人の日まで20歳の誕生日を迎える人を成人として祝っていました。
2000年のハッピーマンデー制度以降は、前年の4月2日から当年の4月1日までの学齢で成人を祝う方式に変わっています。
また、民法が改正され、2022年4月1日から明治9年に太政官布告で定められた成人年齢20歳を、18歳に引き下げる改正法が施行されます。
ちなみに世界の成年年齢は、欧州諸国やアメリカの多くの州をはじめ世界のほとんどの国が18歳と定められています。
低いところではサウジアラビアが15歳未満、インドネシアやイランなどが15歳、オーストリア、カンボジア、キューバ、ベトナムなどが16歳となっています。
日本の隣国では、北朝鮮が17歳、中国が18歳、韓国が19歳、台湾が20歳となっています。
バーレーン、カメルーン、アラブ首長国連邦、シンガポールなど一部の国は21歳を成年年齢と定めています。
国によって違いはありますが、成人は大人への仲間入りをする大きな人生の節目です。
自分が成人した時に大人たちから受けたお祝いを新成人に返す意味でも、心からのプレゼントを贈って晴れの門出を祝ってあげてはいかがでしょう。